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2003-10-21 更新

早稲田祭は、めんどくさい。非常に、めんどくさいものである。
大学側からお金はもらえないし、制約は多いし、規約は厳しいし、準備期間は休みじゃないし。それなのに規模はでかいし、参加団体数も来場者数もめちゃめちゃ多いし、メディアをはじめとした周囲からの注目度も、期待度も高い。
つまり、非常に大変で、非常に難しく、非常にめんどくさいものなのである。だから本来なら、うまく関わるのをさけておいたほうが、楽だし、授業も出れるし、いいのではないか。そんなことすら、思っていたかもしれない。
別にお祭騒ぎが好きなわけじゃないし。人ごみ嫌いだし。実家の埼玉で祭とかあっても、昔から絶対いかなかった。埼玉好きじゃないし。同級生も、そんなに好きじゃなかったし。
だから俺は早稲田祭への思い入れなんてほとんどなかったし、当初はスタッフになろうとか、思いもしなかった。
話はかわるが、俺はザ・ワセダ・ガーディアンという、「早稲田魂」という雑誌と英字新聞を発行しているサークルにはいっている。で、その中で仲のいい先輩に、高橋秀和という歌舞伎顔のおっさんがいた。そう、今年の早稲田祭2003の代表その人である。で、たまたまそのおっさんと飲む機会があったわけだ。
おっさんの酒の弱さは、ドラゴンボール末期のヤムチャ並みである。すごく弱いのだ。その日も開始早々、真っ赤な顔をして、早くも二次会中盤かのごとく、あつーいことを語り始めた。いかに自分が早稲田祭をやりたいか。いかに早稲田祭が面白いものなのか。自分がいかに、早稲田祭を愛しているのか。俺は「またはじまったよー」とか思いながらも、楽しそうに祭について話す愛すべき先輩をみて、「早稲田祭、成功するといいなぁ」と思った。
俺の親友に、エハマという男がいる。エハマは一年生のころからスタッフをやっていた。いつも大きい目をキラキラさせてヘラヘラ笑っている、陽気ないいやつである。
そんなエハマがある飲み会の日、泣いていた。祭のことでの不安や悩み、その他色々な感情が、酒のせいでドカンとでたらしい。俺は今までエハマの涙をみたことがなかったので、ひどく驚いた。「どうすりゃいいんか分からん。早稲田祭、面白くしたいのに・・・」
泣いている親友を慰めながら、同時に、一つのことに悩み涙を流せるこいつを羨ましく思いながら、「こいつのこの涙が、無駄なものにならなければいいな」。そう思った。
俺には愛しく思っている後輩がいる。彼女は浪人時代から、ずっと早稲田祭がやりたかった子で。で、今年憧れだった早稲田大学にようやく入れて、ずっと入りたかったスタッフにも入れたわけなんだが、やはり理想と現実というか、自分が思い描いていたものとのギャップとか、色々あるわけで。何度か相談を受けたりするわけだ。
「今日もこんなことがあったんですよ。あと、こんなこともあったんです。なんか、温度差っていうのかな・・・。私が思ってたのと、違うっていうか・・・。うーんうーーん。どうすればいいんだろう?うーーん、うーーーん」
悩んでいる彼女も可愛いなと思ったが、でもやっぱり、笑っているときの方が可愛いなと思い直し、彼女がずっと笑顔でいてくれればいいなぁと思った。それを見ていられれば俺も、幸せなのに。そう思った。
俺は今、スタッフでは総務局というところに所属している。総務局は他のスタッフが動きやすい環境を作るための局。俺にピッタリだと思っている。
俺の愛する人達が、思う存分早稲田祭を作れるように。最後に思う存分笑えるように。そのために俺は今日も、彼らが動くグラウンドを地味に整備し続けている。
俺はお祭ごとがそんなに好きではないし、早稲田祭への思い入れも、そんなにあるわけじゃない。
だから実際に早稲田祭を見たときに感動できるのか、心の底から笑えるのか、まだよく分からない。
でも俺の愛する人達が、実際に早稲田祭を見て、感動して、心の底から笑っている姿を見たとき、俺はきっと感動して、心の底から笑うだろう。
俺が好きなのは、早稲田祭じゃない。早稲田祭を必死になってつくろうとしている、俺の愛する仲間達だ。
いい早稲田祭をつくってほしい。そしていい笑顔をみせてほしい。
俺はそれが、見たいんだ。
ひねくれてるかもしれないけれど、
それが俺の、笑い方。
それが俺の、早稲田祭。
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