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地域インタビュー

「早稲田祭2006」は、学生による祭ですが、学生だけの祭ではありません。
 早稲田大学の周辺には、7つの商店街を中心とした「地域」が広がっています。この「地域」の協力なくして、「早稲田祭2006」の成功はありえません。また、この「地域」は、日本有数の学生街が残る地域でもあります。その学生街の魅力と、早稲田の学生の魅力が混ざり合った時、早稲田ならではの学園祭、より素晴らしい「早稲田祭2006」を創りあげることができるのではないでしょうか。
 しかし、お店周りをする中で度々聞かれた、「昔に比べて、地域と学生の距離は離れてしまった」という声に象徴されるように、これを実現するためには、乗り越えなければならない壁があります。そこで今回私達は、地域―7つの商店街の方々にインタビューを行い、地域と学生の関わりの可能性、「早稲田祭2006」 の可能性を探ってみることにしました。

「早稲田祭2006」では地域と学生が共有できる、
そんな魅力ある企画を

▼今と昔で、学生とまちとの関わりかたに変化はありますか?

 今は夏休みだから学生が少ないけど、学校が始まって出てくれば、また地域と学生との関わりが生まれてくるんじゃないかな。ただ、昔に比べて遠くから通学する人、家から通ってきて、学校に行ってそのまま帰るような人が増えたから、確かに地域との関わりは少なくなってきていると思う。一部には、早稲田祭のスタッフや、まちに関わるサークルなんかで、地域の祭りやイベントに参加する人もいるけどね。

▼「早稲田祭2006」を、学生に加えて地域の人にも参加してもらえる祭にするにはどうすればいいと思われますか?

 商売している側としては、祭が盛り上がって外部の人がたくさん来ることは嬉しいことですね。地域の人が祭に参加するには、やっぱりまずは魅力ある企画をうつことが必要だと思う。例えば去年の早稲田祭では展示会があって、こういうのはお年寄りの方なんかも見に行くんだよね。

▼魅力があり、かつ幅広い年齢層を対象にした企画をうて、ということですね。

 後、大切なのは広報じゃないかな。地域の人たちの中には、早稲田祭を良く知らない人も多いから。そういう人たちに早稲田祭のことを伝えていくことが大事だと思います。

▼地域の方には早稲田祭を理解してもらって、逆に学生には地域の良さを知ってもらう。そうやってお互いを理解した上で、双方の魅力を来場者に発信できるような学園祭になったらいいですよね。

KY商店

大学の東門から出て徒歩10秒先にある文房具店。KYの由来は、店長の薮内健二さんの頭文字。店内には早稲田グッズも揃っていて、試験前はとことん学生の味方。


地域と学生の温度差の克服へ……!!

▼今までの早稲田祭についてどう思われますか?

 早稲田祭っていうのは俺たちのイメージからすると、学生だけの祭りっていうか。学生だけが盛り上がって、学生だけで終わって、みたいに、地域の人との温度差があるかなっていうのが正直なところかな。

▼「早稲田祭2006」では地域と学生で共有できる企画をうちたいと思っています。地域と学生、大学の連携において最も大切なことは何だと思われますか?

 窓口になってくれる人を定めて、きちんとしたシステムを作ることが大切だと思う。商店会の窓口の人と学生の窓口の人と学校の窓口の人、三人でうまくいくはずだからね。
あとは、地域も学生も大学も、お互いこれだけのリスクを負うんだ、っていうことをちゃんと明文化した企画書を持って行くべきだよね。「こういうリスクがあるんですけど何とかなりませんか」って言って、初めて話が成り立つはずなんだ。そのリスクを負わないでやろうとすると、結局話がまとまらない。
あとやっぱり、地域のお店が学生さんの企画に協力してあげても、学生さんだけが盛り上がって、イベントが終わったら挨拶にも来ないとかはまずいよね。そういう一方通行しかできないっていうのは、俺たちからしたらやっぱり寂しいからさ。

▼リスクも企画実施後の喜びも、全部双方が共有できる関係、ですか。

 企画をうって、後始末がちゃんと出来れば次へのステップになる。「この前うまくいったから、またやらないか」っていう話は絶対出てくる。

▼「地域と学生との温度差」も解消されて、良いサイクルが生まれるわけですね。

 そうだね。そういう地域と学生で企画をうつときの注意点も、一度学生同士でディスカッションしたらいいんじゃないかな。商店会も、多少のリスクを負っても学生と交流を持ちたいっていう気持ちは心の中にあるからね。

此処路

天丼・うどん・そばのボリュームたっぷり・値段も手ごろ、何より高橋さんご夫婦の笑顔が温かいお店。畳部屋になっている2階は学生の演奏会場になるなど、今後も高橋さんと学生とのコラボ企画に注目だ。


さらに進化した早稲田祭へ……初めに行動ありき

▼地域と学生の交流についてどう思われますか?

 去年は早稲田祭のスタッフと、地域、W商連(早稲田大学周辺商店会連合)はもちろん、地域の町会にも呼びかけて名物祭っていう交流会をやったでしょ。この間総長と会った時その話をしたら、総長は地域と学生がこういう付き合いをしてるのを知らなかったから、「そこまで、町会まで(交流が)広がったの」って驚いていたよ。いい方向を向いてるんじゃない。

▼ありがとうございます。今後も地域と連動して、早稲田祭を盛り上げていきたいのですが。

 4年間あけて、早稲田祭を改めてスタートするにあたって、騒音問題とかに関して、地域と早稲田祭運営スタッフがいろんな話し合いをしたんだ。そうしたら、去年もおととしも、地域住民から大学の方に苦情がでなかった。早稲田祭やって苦情がでないなんて今までなかったことでね。今の早稲田祭は、音を出すのは記念会堂の中でやればいいとか、いろんな知恵出してて、そういう部分で結構地域の理解が得られるんだよね。
あと、最近では早稲田祭当日に配られる公式パンフレットも無料になったり、さらに開かれた早稲田祭、地域の方が見に行ける早稲田祭、っていう風になってきたからね。非常にいい部分があるよね。

▼地域密着型の早稲田祭をこれから作っていくためにも、地域と学生が連動した企画を「早稲田祭2006」でうちたいと思うのですが、どうでしょうか?

 地域には青少年育成会だとか、小中学校、子供達の合唱団とか、いろいろな団体があるよね。そういうものを発表する場を設けてもいいんじゃない。そうすると、育成会の方だけじゃなく、それに伴う子供さんも参加するんだよね。発表する子の父兄の方はもちろん、おじいちゃんおばあちゃんもついて来るんだ。

▼なるほど。子供や孫を見に来た高齢者の方も楽しく参加できる企画にすればいいわけですね。

 鼓笛隊とか、和太鼓、有名な西早稲田の戸塚囃子もそうだし、地域で献血するおばちゃんたちだっていい。いろんな分野があるよね。そういう人たちに呼びかけりゃいいんだよ。
そうすると、地域が大いに参加して盛り上がるじゃない。そうすれば早稲田祭が、地域との大きな交流の場になると思う。だからまずは行動を起こしてさ、動けば生まれてくるものもあるからね。頑張って。

三和クリーニング

早稲田大学周辺商店連合会長を務めるご主人の清水さんは、学生の良き理解者で、地域と学生が交流を深めるための様々なアイディアを提供してくれる。


地域と学生―…
長い時間をかけて「信頼」を熟成させていこう

▼現在の地域と学生のかかわりについてどう思われますか?

 今はまだ発展途上だけど、年々親交ができてきたと思います。関係っていうのは初めからうまくいくものじゃないし、何年かたってようやく形になるものですしね。でもいい方向にいってると思いますよ。

▼「早稲田祭2006」では地域と学生が一緒に楽しめる企画をうちたいと思っています。地域の方にこの考えを理解してもらうためにはどうすればいいでしょうか?

 例えば、学食で地域と学生の交流会をやったりするじゃないですか。そういう機会を、ただ飲んで話すだけの場にするんじゃなくて、いろんな企画を提案したりして話し合いの場にすればいいんじゃないかな。そういった場を設けると、ちょっと話を投げかけてみて、どういう反応かっていうのを知ることができるからね。全然交流がないのに、急に一方的に企画を持ちかけられても何やっていいのか全然分かんないし。

▼交流の場での意見交換ですか。リラックスした雰囲気だといろんなアイディアも飛び出しそうですね。

 地域と学生との間でちゃんと交流ができてきて、その上で色んなことやってると、「あ、こういうのいいんじゃないか」っていう新しい案がいろいろ出てくると思います。そういう交流を何年もかけて続けていくことが大事なんだと思いますね。

▼今年の学園祭が終わっても地域と学生の"縁"は続いていく……そんな双方の関係をじっくり作っていけたら素敵ですね。

大井寝具店

寝具の製造販売を手がけるお店。ご主人の大井さんは、毎年10月に行われる恒例のビンゴ大会のまとめ役を務めるなど、イベントを通してまちで活躍をしている。


構内だけじゃない。地域で生まれる"学生文化"

▼学生と地域のかかわりをどう思われますか?

 前は学生が遠くから通ってきたのに、最近はかなり大学の近くに住むようになってきている印象を受けます。うちの店の場合は、1・2年生はまだ親元はなれたばっかりで、外食しないで一生懸命やるから良く来るんだけど、3・4年生になると来なくなるね。
でも、卒業する時はちゃんと挨拶していくし、そういう点では真面目ですよ。いいことだと思います。

▼最近は地域で活動するサークルなど、学生から地域への流れが出てきていると思うのですがどう思われますか?

 僕は良いと思いますよ。最近はうちの裏の学校(鶴巻小学校)に、ほとんど毎日、日曜日や夏休みでも、いろんなサークルが来てるんじゃないかな。去年は早稲田祭のときに、大隈講堂の前で太鼓とかブラスバンドとかを呼んだりもして。そういう交流が盛んになってるのは、非常にいいことだと思います。

▼早稲田祭も、地域とどんどん関わっていこうという流れがあるのですが。

 どういう風にすればうまくいくかは難しいけれど、そういう流れは凄く良いと思います。是非、続けて欲しいと思います。

▼大学だけでなく、小学校で活動してるサークルもあるんですね。まずそうやって大学を飛び出すことで、"早稲田"の新しい一面を発見することが出来るのかもしれませんね。

牧精肉店

鶴巻町にあるお肉屋さん。店長の牧さんが作る手作りコロッケは、スーパーでは味わえない、懐かしい親父・おふくろの味がすると、子どもからお年寄りまで大評判。


街には魅力が溢れている。
書を捨てよ、早稲田へ出よう。

▼山内さんは地球感謝祭の実行委員長をされていますが、その観点で、学生のまち離れをどう思われますか?

 そういうのはあるかもしれないですね。だけどそういう人もいれば、十年二十年前に比べると、逆に街に興味を持ってる人も増えてきてるのかな、と。

▼具体的に言いますと?

 地球感謝祭とかのイベントを通じて知り合った学生さんたちが、街のいろんな祭を手伝ってくれるんですよ。僕らが頼んで手伝ってくれるんじゃなくて、自主的な形で。だから僕らもそれが嬉しくって、逆に、来てくれるからじゃあ、「この余ったビールとコーラをちょっと最後やって帰ってくれよ」っていうような形になって交流が生まれるんですね。
去年は地域でやっている水稲荷神社での大きなお神輿にも、早稲田祭のスタッフの子達や、町で色々頑張っている学生さんたちが、合わせて60人くらい来てくれて。今まで学生さんが街のお祭りに参加するって、本当になかったんですよ。学生さんはオフの時期なのにも関わらず、わざわざ出てきてやってくれたっていうのがあって。

▼神輿担ぎは学生にとっても、なかなか出来ない貴重な体験だったでしょうね。

 だから僕は、確かに街から離れている学生さんもたくさんいるんだけども、それだけじゃないとは思ってますよ。逆に早稲田の街に興味を持ってくれて、歴史が知りたいとか、街のおっちゃん達のお話が聞きたい、とかって思ってくれてここでバイトする子もいるし、誰か紹介してくださいって来る子達もいる。僕らは逆に、そうやって思ってくれる学生さんがいるうちに、そういう関係をちょっと育てないとなって思っています。

▼確かに、早稲田の街や地域の方のお話にはとても魅力を感じます。

 後はね、街のほうも経営者が年とっちゃって、なかなか代替わりがうまくいかないっていう現状もあるんですよね。それもあって、街に元気がないのが学生さんにも伝わっちゃうのかな。
やっぱり学生さんの声を聞ける余裕があったり、学生さんのニーズに答えられるパワーがあったりするところには学生さんも残るし、その逆だと学生さんも離れていっちゃうと思います。だから学生さんの街離れってたまに聞くけど、僕はそう思わないようにしてるし、そう思わない。本当に。

▼街のパワーは未知数。学生のかかわり方によって可能性は無限大です!!

キッチンミキ

ハンバーグを作り続けて43年、レンガ作りの温かい雰囲気のお店。ご主人の山内さんは飲食業の傍ら、地球感謝祭の実行委員長や、消防団の一員として地域の活性化に貢献している。


時代は流れる。学生も変わる。
街も、動き出す時だ。

▼地域と学生との関わりについてどう思われますか?

 実際のところ今まであるようでなかったよね。例えば早稲田祭をバックアップするとか、そういうことは非常に少なかったようには思うよね。だから、これからどういう風に接していくのかっていうのを、お互いにどんどん試すべきじゃないかな。学生さんの方は学生さんの方で、商店会の方は商店会の方で、っていう風に。
ただ、今まで色んな難しい問題がたくさんあってさ。例えば、「商店会は学生さんの応援するわ、じゃあ学生さんは商店会に何やってくれるの?」とかさ。
でもはっきり言って俺は、地域と学生の関係はギブアンドテイクとはいかないと思うんだ。俺自身はどっちかというと、商店会側から学生さんの面倒をみるというか、要するに「稼がせてもらっているんだからこういうことは協力しようよ」っていう方が実際に無理がないんじゃないかな、と思っている。まあこれは今後のことだよね。

▼「早稲田祭2006」当日は、旗を掲げたり、音楽を流したりして、通りを盛り上げてくださると伺いました。楽しみにしています!

 早稲田祭では、東西線にしても学バスにしても南門通りが来客の中心になるもんね。だから「早稲田祭2006」をいかにアピールできるか、南門なりに積極的に動いていこうと思っていますよ。

▼では最後に、「早稲田祭2006」にメッセージをお願いします。

 一旦早稲田祭が途切れてから、あんまり回数を重ねてないよな。前の早稲田祭はもっともっと大きかったわけで。日にちも一週間あったわけだから。それが何しろ今では日にちも短いしね。来場者数なんて全然、今でびっくりしてるかもしれないけど、昔はそんなもんじゃなかったわけだ。
だから、そういうのを知っている我々からしてみると、まだ卵がひよこにかえったぐらいだから、商店会も含めてみんなの力で育てていく、そういう段階じゃないかな、と思います。

▼卵からひよこへ、ひよこから立派なニワトリへ……。早稲田祭のさらなる成長には、まだまだ皆さんのお力が必要不可欠です!

早美舎

Tシャツの作成などを含め、印刷全般を手がけるお店で、長年早大生のサークル活動などを支えてきた。歯切れのいい下町言葉は、早稲田で30年以上も店を構える中島さんならではのもの。


今回、七つの商店会の方々にお話を伺って、地域と学生の関わり方について、改めて考えさせられました。確かに学生のまち離れは一部の間で深刻で、私たちの「地域と学生をつなげたい」という想いは、理想と現実との間で空回りしてしまうかもしれません。
しかし、だからといって想いが途切れることはありません。今回のインタビューでも、たくさんの方が「早稲田祭2006」の無限大の可能性を示してくださいました。
「早稲田のまちの魅力を早稲田祭で来場者に発信したい。早稲田でしか出来ない学園祭を創りあげたい……」ただその熱い想いが、今日も「早稲田祭2006」運営スタッフを突き動かしています。






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