福田なんです。
虚像の中ですら彼女も義母もいない僕ですが、これでも彼氏はいるんです。
少し前の話になります、あれはまだ夏休みのことだったと思います。
僕たちは二人で漫画喫茶へと行きました。
最近の漫画喫茶というのは二人用の個室というものがあるのですね、あまり広くはありませんが、イスはふかふかして気持ちよかったです。
確か漫画は一冊も読まずに、ずっとパソコンをいじり、コンソメスープをすすっていたと思います。
壁には、「いかがわしいことをしないでください」という張り紙がしてありました。
もしかしたらそんな張り紙を見てしまったからこそ、僕たちの何かに火が付いてしまったのかもしれません。
いつしか二つだった影は一つに……。
ガイ君がトイレに行きましたからね。
ちなみに彼氏がいるという話は大ウソで、ガイ君とも一線を踏み外すようなことはしておりません。
でも一つだけ言っておくなら、僕は漫画喫茶に入るまでガイ君がゲイっ気アリということを知りませんでした。
漫画喫茶から出た僕は、ガイ君がゲイっ気アリということを知っていました。




