子牛を母牛から引き離す
牛乳を飲むということは、そういうことだった。
スーパーで、コンビニで、
紙パックに入った牛乳を「物」として購入する私にとって
それはハッとさせられる現実だ。
よく考えれば当たり前だ。
牛乳はもともと子牛を育てるお乳なんだから。
北海道のペンションで乳搾りを体験したこの夏、
食物に対する意識が変わった。
子牛を生んだ母牛は、
生まれたての子牛に免疫力をつけるために、一度だけ乳を子牛に与えたあと、
子牛から離されて乳牛となる。
放牧されているが、子牛に与えるはずの乳で胸が張るので
朝と晩は絞ってもらうために小屋に帰ってくるらしい。
絞っているのは機械だけど
自分の子牛に乳を与えていると錯覚するらしく
母牛の顔はうっとりとリラックスしていて、
どこか嬉しそうにも見えた。
乳を搾りに搾られた母牛は通常より早く老いる。
乳が出なくなったら、
肉牛として出荷されるのだ。
「はなちゃんおいで、小屋にもどろう」
乳搾り体験の仕事を終えた母牛に、ペンションのおじさんは優しく呼びかけた。
・・・・名前がついていたのだ。
牛たちに愛着がわかないのか・・・おじさんに尋ねた。
わかない訳が無い。ずっと世話しているからね。
でも、この牛はきっとそういう運命なんだ。そう信じていなきゃやってられない。
だからその運命を全うさせるために、わたしたちも頑張るんだ。
牛だけじゃないよ、あそこの田んぼの米もそうだ。
みんな生きているんだ。
牛乳がとてもおいしくて
有り難くて有り難くてしかたなかった。
10期赤嶺貴子
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【シンポジウム】
私たちの食のゆくえ~日本の食料問題を考える~
日時:早稲田祭2日目11月4日(日)14時~16時30分(予定)
場所:早稲田大学14号館102教室
コーディネーター:高野孟氏(インサイダー編集長、早稲田大学客員教授)
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