早稲田大学教育学部2年の向川尭博と申します。今回の『わせだカンタービレ』ではC.Debussyの傑作の1つである『アラベスク第1番』を弾かせて頂きます。
先日、‘arabesque’という言葉を辞書で調べてみました。‘arabesque’とは「アラビア(唐草)模様」を意味する英語の言葉で、『アラベスク第1番』は作曲当時、パリ(C.Debussyはフランス人)で流行していた唐草模様から、そのように名づけられました。唐草模様のように、流れゆくアルペジオに乗せて、優雅で洗練された音が複雑に絡み合い、模様としての繊細な線と色彩の美しさが音を通じて再現されている名曲です。
音楽を含め、芸術全般に言えることですが、芸術作品というのは作者の「ストーリー」のようなものが表現されています。作者だけでなく、人は皆それぞれ独自の「ストーリー」を抱えているかと思いますが、心に響く作品、賞賛される作品というのは、やはり見聴きする者がその作者の「ストーリー」に、日々の喧騒の中で忘れ去られてしまったものを見出したからではないでしょうか。当たり前であるゆえに、無意識に軽んじてきてしまったものを再度思い出したからではないでしょうか。本当に大切なものは何なのかということを改めて再認識させてくれます。僕は芸術に詳しいわけではありませんが、傑作と謳われるものにはこういう力が宿っていると確信しています。
少し脱線してしまいました。ただ、全てにおいて他者のストーリーには必ずや学ぶべきものがあるのは確かです。僕はこの『アラベスク第1番』を通して、C.Debussyの「ストーリー」を少しでも再現すると同時に、練習の途上でこの「ストーリー」から学んだものを存分に表現できればと思います。もちろん、これは言葉で言えるほど簡単なことではありません。自分の技術でどこまで表現できるのかという不安も大きいです・・・が、まずは上で述べた事を忘れずに演奏したいと思います。演奏を聴いて頂ける方々の安らぎの空間作りの一助になれればと願う、そんな今日この頃です。
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わせだカンタービレ
2007年11月4日(日) 開場12:30、開演13:00
小野記念講堂(西早稲田キャンパス近く)
入場無料、途中入退場自由
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