どうも田中です。UOMOって雑誌ありますよね?あれって語呂悪すぎじゃないですか?ウオモ。僕らの世代は、小学生の頃母親に「僕ぜってーウオモって雑誌作るんだ!」って言って「何言ってんの、バカなこと言ってないで勉強しなさい。あと語呂が悪い」と言われたものです。あー、、、なんか今昔が急に懐かしくなってきた。スイッチ入った。学級王ヤマザキ。
謎の彼女Xというマンガがあります。漫画家・植芝理一の作品であり、現在月刊アフタヌーン誌上にて好評連載中です。今回の記事は、それについての分析をしてみたいと思います。
世の中にラブコメというジャンルに属する漫画は数あれど、この漫画ほど「異質」なラブコメは無いのではないだろうか。少なくとも僕にはそう思える。ところでこの場合の異質とは、たとえば「めぞん一刻」のように、現実世界に即した世界観をもって描かれ、極めて純粋なラブストーリーに所々ギャグが散りばめられているような、そういったものを「王道」とした場合のものである。では、この作品において、一体何が異質なのか。それは例えば、ヨダレを通してつながる少年少女、という設定自体がそうであろう。彼らは互いのヨダレを舐めることで、互いのその時々の気分や考えること、果ては昨日見た夢までイメージとして共有してしまうのだ。二人は毎日、下校してから二人だけで落ち合い、彼女である卜部美琴のヨダレを、彼女の指を通して、彼氏である椿明が舐める。まるで交換日記を付けるかのように、だ。しかし僕は、この設定自体も他のラブコメに比べ異質ではあるとは思うが、より異質な部分があると考える。それは、そうしたヨダレを通して繋がる関係そのものを誰もが否定せず、当たり前のように世界が構築されていくということだ。漫画の中で明は、美琴の手を繋ぎたがったり、あるいは水着姿を見て興奮したり、至って普通の高校二年生として描かれている。しかしである。その明が、彼女である美琴のヨダレを舐めるという行為自体に関してはまったくと言っていいほど興奮することがない。日常的な行為の延長として描かれているだけだ。僕がもっとも異質であると思うのはこの部分だ。この作品は、静かに、ゆるやかに、しかし確実に、ズレている。まるで「ヨダレを舐める」という行為のみがぷらんと宙に吊り下がっているように僕には思える。この漫画が日常的な風景を描写することが多いだけに、より一層それは際だつ。彼らは普通であって普通でない世界を生きているのだ。無自覚に行われる異質な行為ほど、異質に見えることは無いだろう。だが、ここで一度立ち止まって考えてみたい。果たして、「ヨダレを舐める」ことで互いの思いを通じ合わせる行為が日常化していることは、本当に異質なのだろうか?
我々人間は、言葉という手段によって自分の気持ちを相手に伝えることができる。身振り手振りや表情など、行動だけで表すには難しいような繊細な心の機微をも、言葉は伝えてしまう。我々の進化の過程というものは、コミュニケーションの発達の歴史を築いていくものでもあった。言語が生まれ、文字が生まれ、それを文章にし、本にし、人々は自分の言葉を伝えてきた。やがて電話が発明され、物理的な距離すらも人は乗り越える術を知った。現代はどうだろう。携帯電話・メール・チャット・テレビ電話・・・。人はスムーズに自分の気持ちを伝えるためになら、いかなる努力でも試みるようだ。以前では考えられなかったほど人は毎日連絡を取り合い、伝え合うことが出来るようになった。しかし、やはりそれにも限界がある。それは、言葉そのものの持つ限界でもある。いくら話したって、いくらメールしたって、結局自分の全てが伝わる訳ではない。そしてそもそも、感情というものを正確に言語化できるのかどうかという点も甚だ疑問ではある。自分の考えや思いを誰かに話した時点で、もはやそれは本来的な意味での自分の考えではなくなってしまっているだろうし、もしかしたら自分の考えを自分の頭の中で言語化してしまった時点で、それはもう自分の考えではないのかもしれない。我々は言語を使って何かをしようとする限り、この呪縛から逃れることはできない。
そしてまんまとその呪縛から逃れてしまったのが、明と美琴であったのだ。彼らは毎日メールしなくても、毎日交換日記を付けなくても、相手の考えや感情を「イメージで」伝え合うことができる。そこに言語の入る余地は無い。あらためて考えてみたい。一体、ヨダレを舐め/舐めさせることが日常の一部と化していることの、何が異質だというのか?好きな人の考えていることは皆知りたいだろう。だが、特に高校生の初めて付き合う者同士が、お互いの気持ちをスムーズに伝え合うことが簡単である訳もない。この作品の場合、美琴があまり自分のことを話さないキャラクターであるから、なおさらだ。そういった二人にとって、ヨダレを舐める/舐めさせることなど異質でも何でもなかったのだ。それで、言葉で伝え合うよりももっと直接的に互いの気持ちが通じ合うのならば、それを異質だなんて感じることすらないだろう。ヨダレを舐めることで気持ちが通じ合うなんていう設定は、異質でしかない。けれども、それは二人にとって互いの気持ちを確かめ合う最適な手段であり、だからこそ、それが日常化しても二人は疑問にすら思わないのである。
でもやっぱりおかしいよなあ。ちょっと変だよ。そんなカップル。

ロッカールーム(前編) [08.10.29]
ロッカールームという所に一度でいいから入ってみたかった。初めにその単語を聞いたのは小学生になったばかりの頃だったか。プロ野球中継をぼうっと見ていた僕の耳に...

