牧誠先輩

牧 誠(マキ マコト)

1948年愛知県名古屋市生まれ。パソコン周辺機器メーカーバッファローの創業者で取締役会長、メルコホールディングス代表取締役社長。

1971年に早稲田大学理工学部物理学科を卒業。1973年に大学院理工学研究科応用物理学を修了し、1975年5月に地元名古屋にてアンプメーカーのメルコを個人創業した。 1978年に株式会社メルコ(現・バッファロー)を設立し、代表取締役社長に就任。1986年には、有限会社バッファロー(現・メルコホールディングス)を設立し、代表取締役社長に就任。2006年に、株式会社バッファローの取締役会長(現職)に就任する。2010年には、メルコホールディングスとアイ・オー・データ機器およびデジオンの3社で一般社団法人デジタルライフ推進協会を設立し、現在は理事に就任している。


1.起業のきっかけはなんですか。

―やりがい志向です。専門は大学院で半導体の研究をしていましたが、院を卒業した時はトランジスタ不況で同期はだれも半導体へ就職できませんでした。長男として名古屋に帰らなければならなかったので、大学卒業前から名古屋での就職を考えていました。でも、名古屋には半導体も弱電も関連会社が無かったので、自分でそういう会社を始めればやりたいことをやれるという気持ちで、小さな会社には修行も兼ねて入りました。


2.お仕事をなさる上で心がけていることはなんですか。

―我が社のスローガンに掲げている「フェア&オープン」と「ロジカルシンキング」 ですね。公正さとオープンな態度、論理的な考え方です。「フェア&オープン」というのは大学研究室で教わったことです。東大の先生だから読むとか、田舎の大学の先生だから読まないとかそういう分け隔てなく「フェア」に、そして「オープン」に読みなさいということを学んだのです。いろいろ読むと、人とは違うことが出来るということを学びました。


3.大学時代に力を入れていたことは何ですか。

―サークルとしてオーディオをやっていました。アンプを作ったり、電気雑誌のライターをやったりしました。それくらいにオーディオにのめり込んだ、それが起業のきっかけともなりましたね。


4.早大生のイメージをお聞かせください。

―正直、最近影が薄くなった気がします。早稲田の人間がおとなしくて、飼い犬みたいになってしまった感じですね。昔は野犬みたいな感じがあったのに。なんか生意気だけども組織に迎合しちゃだめだという雰囲気がありました。ちょうど学生運動が盛んな時期で、みんな日本をよくしたいみたいな気持ちが強かったですね。そこで自分の持てるものを発揮したいというのがありました。


5.牧先輩の人生に大きな影響を与えた人物や出来事は何ですか。

―火の玉博士という、大槻先生ですね。物理学科にいた早稲田の教授です。4年生の時に、この先生の研究室のゼミ面接で「牧君は頭が悪いから理論物理は合わないよ。実験物理へいけ。」と言われました。先達のそういう言葉で人生の方向を間違えなくて済みました。感謝しています。素直に先達の話を聞いて、変えてみるっていうのも、人生を切り開く大きな道じゃないかなと思います。


6.早大生に一言お願いします。

―海外に行けということと、自分の中に一個土台となるものを作れということです。私は海外での成功の可能性が高いと思っています。これからの企業は、中小も大手も海外を目指すことが必要になってくるし、企業の成功のポイントとはONLY1になることです。小さくてもいいからONLY1、世界一になること。 もう一つは、自分の強みを持っていくこと。自分が誰よりも負けないというもの、ある程度自慢できることがあると、自信が持てるのです。自信があるとへこたれなくなってきます。自己不信というものがあっても、ここの強みがあるから頑張ろうというものが必要だと思いますね。


(インタビュアー竹山翔太)


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